New!第6期 平成の咸臨丸 北欧研修に行ってきました NO1 ヘルシンキ編

(2019.08.29)

811日(日)

日本航空にて空路フィンランド・ヘルシンキに向けて、

成田空港から出発。

研修生12名、同行は財団スタッフ2名と咸臨丸プロジェクトを

サポートしていただいているビジネスコンサルタントの池田絵実さんと

マハムド・ダンテさんです。

10時40分発、飛行時間は約10時間10分。

 

ヘルシンキ空港には14時50分に着きました。とっても涼しい!酷暑の日本では考えられません。

フィンランドと言えば、森と湖の国、そして何と言ってもムーミン。

初日は、空港から専用車にてヘルシンキ市内視察へ。

ヘルシンキのシンボル、大聖堂・石の教会「テンペリアウキオ教会」、岩をくりぬいてつくられた、ドーム型の屋根、ガラス張りの天井を持つ教会。内部ではちょうどミニクラシックコンサートが開かれていました。次に向かったのは「ヘルシンキ大聖堂」。白い壁が清々しい大聖堂でした。

そしてお楽しみのムーミンショップ。街の中のショップと私たちが泊まるホテルの隣にあるムーミンショップを訪ねました。ここでは早速お土産探し。初日からお買い物意欲も旺盛です。

北欧のこの時期は白夜、夜の8時、9時でも明るいのです。食事から戻ってきても外は明るかったのですが、今日は長時間の空の旅、明日からの視察に備え、早めに休みました。

812日(月)

MARTINKALLION KOULU

8時15分、バスに乗って出発。今回の視察コーディネートしてくださったラクソ美奈子さんが案内してくださいます。

ヘルシンキに隣接したエスポー市にあるMARTINKALLION KOULU(小中学校)を訪問しました。

ここでは教師歴38年という Anni Somerma先生が出迎えてくれました。6人ずつ2つのグループに分かれ、英語とスウェーデン語、倫理・道徳と英語の授業を参観しました。

フィンランドでは、教師という職業は教育の専門家として非常に尊敬され、授業プログラムも教師の自由度が高いということも言われています。実際に参観し、授業自体も生徒自身もとても自由だな、と思いました。

授業参観のあとは、同年代の生徒8名とディスカッション。活発な意見交流がされました。

Startup Saunaビル、KIUAS

続いて同じエスポー市内にあるAalto(アアルト)大学でランチ。Aalt大学は、もともとヘルシンキの3つの専門大学(経済・工学・芸術)が合併してできた大学だそうです。

ランチ後は、同敷地内にあるStartup Saunaビル、KIUAS(キウアス、フィンランド語でサウナのストーブのこと)を訪れました。ここは学生起業家支援のためのNPOで大学生が中心の組織です。

お話を伺ったのはENTOCUBE(エントキューブ)という会社を立ち上げたRobert Nemilanderさんです。Robertさんは、ご自分のことを“Public Speaker”と称しています。

ここでエントキューブ社のことを、少しご説明します。この会社はズバリ、昆虫食会社です。

昨今、昆虫食は世界的に活気づいていて、タンパク質が豊富で、優れた食品、何より環境への負荷が少ない、環境にやさしい食品という触れ込みです。もともとは昆虫食を作っていた草分け的な会社でしたが、今では虫の飼育から売り方までを指導する「昆虫養殖システム」の販売に重点を移しているそうです。英語で言うと、Insect Farming Technology & Edible Insect Foodsになります。何と昆虫、コオロギだそうですが・・・。

もともと気候変動や環境問題、サスティナビリティに関心があったRobertさん。さらに宇宙飛行士にも選ばれた経験を持ち、火星への移住プロジェクトにも携わり、地球と火星の2つの惑星の食糧危機を救うためにはどうしたらいいかを考えた結果が、昆虫食だったということです。実際に私たちも食べてみました。見た目はコオロギそのものでしたが、味はビックリ!美味しかったです。

Robertさんからは様々なお話しや言葉をいただきました。すべてをご紹介はできませんが、ひとつひとつがとても印象深いものでした。そのひとつです。

Find out what makes you excited to wake up.

目覚めた時に、何か楽しいことを見つけモチベーションを上げることが大切!

OODI(ヘルシンキ市図書館)

次は、OODI(ヘルシンキ市図書館)に向かいました。2018年12月に開館したばかりの図書館。フィンランドの誇る斬新で新しいデザインや、単に図書館としてだけではなく、地域コミュニティの活性化につながるよう、様々な活動にあった空間の設計が特徴の図書館です。中に入ると、今までの図書館の常識を超えていました。中のスペースにカフェまであり、アルコールも販売されています。訪れた人は、各自自由に楽しくその空間で時間を過ごしていました。

夕食は午前中訪問した学校のAnni Somerma先生と美奈子さんとご一緒しました。Anni先生、美奈子さん、ありがとうございました。

813日(火)

Ivana Helsinki House.

2日目のヘルシンキ、今日も美奈子さんとご一緒です。

最初の訪問先は、Ivana Helsinki House. ここは昨日訪問したAalto大学デザイン修士の卒業生の姉妹が学生時代に起業したファッションデザインを中心とした会社。今日お会いしお話しをお伺いしたのは、妹さんのファッションデザイナーPaola Suhonenさんです。Paolaさんのデザインは、何かのストーリーや物語、ご自分の気持ち、体験、そして自然から入るそうです。2019年のテーマは木だそうです。その木をイメージしたプリントのワンピースをPaolaさんは着ていらっしゃいました。このデザインハウスでは、3年前にユニクロともコラボをされていたとのことでした。このデザインハウスでは、実際の商品も販売しており、気に入った商品を購入しました。

ランチは、Finnish Federation of the Visually Impairedで。ここは視覚障害者のための施設です。あいにくあまり時間がなく施設内を詳しく視察することはできませんでしたが、入口等にとても優しい工夫がされていました。

 

Helsinki Environmental Building 環境センター

ヘルシンキ最後の訪問先は、Helsinki Environmental Building 環境センター。ヘルシンキでは環境問題に対する意識が高く、持続可能社会をつくるための様々な取り組みが行政機関で進んでいます。お話を伺ったのは市の職員のAlpo Taniさん。都市計画戦略室の方です。2050年までの人口動態や環境等を構想し、将来図を描き、人にやさしい都市をつくることが目的です。ヘルシンキの街を歩いて感じたことは、City Bike(電動スクーター)が多く、あらゆる場所で乗り捨てられていること、自転車専用レーンがあることです。交通の優先順位としては、①歩行者、②自転車、③公共交通機関、④自家用車だそうで、これらの交通移動手段を使ってモビリティに取り組んでいるそうです。それにしても将来的には自転車のためのハイウェイ構想もあるそうです。ビックリ!しました。そのまますべての考え方が日本で当てはまるとは思いませんが、今、そして今後手に入るテクノロジーを試行錯誤しながら50年後、100年後の都市を計画することが大切だなと思いました。

 

Helsinki Environmental Building 環境センターを後にした私たちは、港(Helsinki Olympia Terminal)に向かいました。ヘルシンキからスウェーデンのストックホルムへの1泊2日の船の旅です。乗船する船はシリヤライン・シンフォニー号。17時出航、ストックホルムには朝の9時半に到着です。(ヘルシンキとストックホルムの時差は1時間です)。初めての経験です。皆さん、羽目を外すぎないように、注意しましょうね!

ここで美奈子さんとお別れです。本当にありがとうございました。