New!第五期 平成の咸臨丸 スウェーデン研修に行ってきました NO2

(2017.08.15)

8月9日(水)

Ragn-Selles AB

今日から2日間、Leifさんが同行です。

Ragn-Selles ABを訪問し、CSO(チーフ・サスティナビリティ・オフィサー)のPar Larshansさんのお話しを伺いました。Ragn-Sellesは、1966年に設立され、企業や家庭から出る廃棄物の収集、管理やリサイクルの事業を行っています。Parさんは、世界的に知られているサスティナビリティ経営の実践家です。数多くの国際会議に出席され講演を行っておられます。サスティナビリティ経営とは、企業が利益を上げるだけではなく、社会的責任を果たすことで将来においても事業を存続できる可能性を持ち続けるということです。Parさんは、企業の社会的責任を中心にスウェーデンの抱えている問題、リーダーの果たすべき役割、会社の価値観等を詳細に説明してくださいました。その中でも前職でもあったスウェーデンで最も高収益をあげているハンバーガーチェーンMAX BurgersABでの障がい者雇用の話しは印象的でした。Parさんの話しのあとは、チームに分かれ、感想と質問です。ここでも活発なミーティングができました。

ランチは近くのMAX バーガー。環境問題にも熱心な同社では、バーガーの包装紙にこのひとつのバーガーを作るのにどれだけのCO2を輩出しているかを明記しているのです。でもバーガーは、とっても美味しかったです。

SIWI(ストックホルム・インターナショナル・ウォーター・インスティテュート)

次に向かったのは、SIWI(ストックホルム・インターナショナル・ウォーター・インスティテュート)。1991年に設立され、水の管理や最適な使用、分配、持続的成長の推進につとめ、水資源に関する課題解決のために提案を行うNGO団体です。もともとストックホルムは水に恵まれない地だったようですが、この団体の活動により水質が改善したとのことです。海外に来ていつも水道の水は飲まないようにと言われますが、ストックホルムの水道水は安全で日本の水道水と比べてもそん色なく美味しいお水でした。それもこの団体の活動の成果なのでしょう。また主催するワールド・ウォーター・ウィークは世界で1年に1回開催される、地球上で最も対策が急がれる水資源問題の会議の場です。「水不足の要因は?」いう質問には、①人口が増え使用量が多くなり需要が大きくなったこと、②グローバルな経済の変化・豊かになると1人当たりの使用量が増えること、③気候変動 と答えていただきました。水というのは循環している資源ですが、量は増えているわけではないので、使用量が増えると水不足になるわけです。そう、水は大切に使わなくてはいけないんですよね。

フリーシュフーセット(Fryshuset)

本日最後の視察先は、フリーシュフーセット(Fryshuset)。ここは若者が自由に集うことができる施設を備えた施設。バスケットボールやスケートボードなどのあらゆる余暇活動ができる施設を備え、多様な社会において若者の抱える様々な問題の解決に取り組んでいます。ここでは学生たちも一緒に施設を案内してくれました。そしてスケートボードにもトライ。

若い人がやりたいことができる環境を大人が与えている施設です。日本にはない施設ですね。全員がこんな施設を、日本につくりたいと思ったことでしょう。

8月10日(木)

Oncopeptides

本日はスウェーデン最後の視察日です。今日もLeifさんが同行してくださいます。

まず製薬会社のOncopeptidesを訪問。CEOのJacob Lindberg氏が説明してくださいました。まずはLife Scienceとは何なのか?から始まって、病気の内容が進化していること、いま抗生物質を使いすぎている、遺伝子情報の調査を進行している等のお話しをしてくださいました。また医薬の進化は時代とともに逆比例、大企業である製薬会社ではイノベーションが起きにくく、小さい会社、ベンチャー企業でイノベーションを起こし、効率的に医薬を開発しているとのことです。この会社では特に多発性骨髄腫の研究開発を行っています。最後のJacobさんの一言は「化学は楽しいですよ。おすすめです」でした。

ストックホルム市庁舎

続いて訪れたのは、ストックホルム市庁舎(シティー・ホール)。英語でガイドをしていただきました。ここはノーベル賞の晩さん会が行われる青の間が有名。青の間という名称ですが、青くはありません。それについての裏話も伺いました。それとテレビで見るよりは意外と狭い。晩さん会時には1,300人が入られるとか。ということで、一人分のスペースはなんと横幅60㎝とか。(王族、大統領クラスで70~80cm)

次に見学したのは市議会場。議員101名のうち、女性がなんと50名で、議長も女性だそうです。

Café Hitom

シティー・ホール見学後は、Café Hitonを訪問。ここは知的障がいを持つ大人のための職業訓練なども行う施設です。カフェと会議室があり、私たちはここで昼食をとりました。だれでもレジを打ったり、給仕ができる工夫がされていました。障がいを持った方が、自信を持って社会に出る、通常の職場で働ける能力を養うことが目的の施設です。

スウェーデンでは、障がい者の働く施設は多く、また障がい者の権利を保障する法律もあり、社会全体でサポートしています。これも福祉国家スウェーデンの特色です。

ちなみに、ランチは美味しかったです。

MAX Burgers

最後の視察地はMAX Burgers。昨日お話しを伺ったParさんが、勤めていたバーガーチェーンです。ここではシャーロットさんが話しをしてくださいました。MAX Burgersは、1968年創業。創業者でもあるクルトさんが17歳で創業したそうです。現在115店舗、スウェーデン、ノルウエー、デンマークで展開しています。驚くことに14年間、顧客満足度NO1の企業だそうです。「サスティナビリティ」の実践を通して、お客様や社会など多くのステークホルダーからの信頼を厚くし、ビジネスを発展させて企業です。その事業活動は、様々な組織からも高く評価されているそうです。そして従業員は、ここで働くことに意義を感じ、世界で認められるチェーン店であることに誇りを感じているそうです。素敵な会社ですね。

 

今日はLeifさんと絵実さんとの最後のディナー。お二人のおかげで有意義な時間を過ごすことができました。本当にありがとうございました。