第7期「ながの視察団 AOKI咸臨丸」夏期国内視察研修が行われました。 (5日目・6日目:奈良)

(2022.08.03)

8月3日(水)

【奈良大学准教授(文学部文化財学科)の相原嘉之先生講義】

昨日までは、日本の最先端技術を学んできました。
今日から2日間は、日本国の国家形成の歴史を学び、日本という国について考える機会になります。

奈良大学准教授の相原嘉之先生は、国家形成、律令制度、
飛鳥・奈良時代を研究されていらっしゃいます。
CREWには、事前課題として相原先生の「壬申の乱」に関するインタビューを読んできてもらいました。

相原先生のお話しから、8世紀初め(約1300年前)に当時の中国王朝である唐に対し
自国の名称として「日本国」が記述されていること、
遣隋・唐使などは法制度・仏教などを持ち帰り律令国家としての
日本、現在の日本国の基礎をつくったことを学びました。

また、考古学の調査により新しい事実が出てきます。
たとえばかつては「日本最古のお金は和同開珎」と教科書にありましたが、
現代では富本銭(ふほんせん)が貨幣としては最古であるという認識になっています。

ただし、歴史を考えるのに考古学でわかった事実だけではなく、
民俗学、人類学などさまざまな側面から「読み取る」ことが大切であるということも、
相原先生のお話しからよく理解できました。

相原先生の「お考え」とともに「日本国」について考える貴重な時間となりました。

相原先生を囲んで(集合写真のみマスクを外しております)

 

【明日香村視察】

相原先生の講義のあと、地元のボランティアガイドの方にお願いしてバスで明日香を視察しました。
キトラ古墳、石舞台や飛鳥寺では、はるか1400年の悠久の時間を超えて、
過去に触れることができました。

キトラ古墳

石舞台

 

今日でちょうど夏期視察研修の半分が過ぎることになります。
夜は、目標達成に向かって進めているか、行動のガイドラインは守っているかなどの振り返りを行い、
後半も気持ちを引き締めていくことを全員で確認しました。

 

8月4日(木)

【奈良市内視察】

今日は終日、奈良市内を視察。過去に大いに触れる時間となります。

まずは鹿で有名な奈良公園。
人生初の人力車に乗って、奈良公園を案内していただきました。




奈良公園 人力車

今回のこの人力車。
「ながの視察団AOKI咸臨丸」OBの矢口駿太郎さんが、アルバイトをしているので、
そのご縁で7台を貸切ることができたのです。


OBの矢口駿太郎さん

45分間の人力車体験、とても楽しむことができました♪

奈良公園後はバスで「平城宮蹟歴史公園」へ。
地元のボランティアガイドさんおふたりに案内していただきました。
約1300年前、この場所に平城宮が築かれ、今に続く律令国家としての国づくりが完成しました。
その地を訪れ、過去を感じました。

まずは、平城宮朱雀門へ。


平城京朱雀門


驚いたことに平城京蹟の中を近鉄電車が通っています。
旧跡を発掘していくとその範囲がどんどん広がっていくことになり、
ついに近年には、近鉄電車を通した場所も旧跡だったことがわかったからだそうです。

平城京を後にして世界遺産の薬師寺と唐招提寺を訪問しました。
東塔は、奈良時代前期に建てられた薬師寺で唯一存在する塔。


薬師寺の東塔


一見すると六重の塔ですが、三重塔です。
唐招提寺の御影堂には、国宝鑑真和上坐像が安置されています。

今日も35℃近い気温の中、疲れた様子も見せずみんな元気に様々な場所を訪問しました。

奈良を後にし、これから北海道に移動します。